世界の瀑布、トップ3
ヴィクトリアフォール(ザンビア、ジンバブエ)  英国の探検家、ディヴィッド・リビングストンが1855年にヨーロッパ人として初めてこの滝を発見した。英国・植民地時代には北ローデシア=ザンビア、南ローデシア=ジンバブエ、と呼ばれていた国の“国境”を流れるザンベジ川の中流にある。ジンバブエ側では「ビクトリアフォールズ」だが、ザンビア側の正式名称は「モーシ・オワ・トゥーニャ」(雷と煙の滝)と呼ばれる。

 滝を訪れたのはずっと昔で、1971年のことになる。南アの最南端、ケープアガラスから喜望峰を経て、遙かノルウェーの最北端、ノール・キャップまで、6ヶ月をかけて車で旅した時だった。今(2013年)はどうなっているか分からないが、当時は囲いなどどこにもなく、踏み跡をたどると、突然、滝が現れ細い木々の間からは、遙かしたの激流が見える恐ろしい場所に出た。その怖い場所から撮ったのが左上の写真だ。飛沫となった水が風に舞って、滝壺は時々見えるだけだったが、今でも目の前を落ちてゆく凄まじい滝の勢いを思い出すことが出来る。
 
 右の写真は少し場所を変えて撮った。見る側のリスクでどこへ行こうが勝手。足を滑らせたらひとたまりもない。右の写真では草の斜面に人がいるのが分かる。滑りやすい枯れ草の斜面で、すぐにザンベジ川へ落ち込む断崖になっている。

 滝の幅は約1700㍍。落差は108㍍だと聞いた。幅などは推量によっても変化することだろう。




 ジンバブエバブエに観光用の小型機があった。思いの外安い料金だったので、乗ることにしたのだった。上空から見る滝は、白煙のような水煙を上げている。

 滝の落ち口から上流は、平原が続いている。滝の下流も平原は続き、ザンベジ川は深い峡谷となって、平原を抉るように続いている。この写真では分からないが、峡谷の両岸はほぼ同じ高さで、峡谷の幅だけが深く,細く続いていた。
 イグアスの滝(アルゼンチン、ブラジル) 


 世界最大の規模を持つ巨大な滝だ。アルゼンチン領・80%、ブラジル領・20%が滝の“国籍”となる。両国国境にまたがり、最大の幅を持つ滝は80㍍、落差も82㍍だが、一つの滝というより、全体のスケール、滝の数、段数がとんでもなく多く、275段あるとされる。エピソードとして知られているのは、アメリカのルーズベルト大統領が、夫人とともにこの滝を見物に訪れた。その時、夫人はこういったそうだ。
 

 「ナイアガラの滝がかわいそうね」

  イグアスという名は先住民族の言葉で「偉大なる水」の意味だと聞いた。ルーズベルト夫人がナイアガラと比較しての言葉は,なるほどと思うが、何でも一番が大好きなアメリカ人としては、いささか無念の感情も入っているかも知れない。

 

 
 一カ所から滔々と流れ落ちる日本の滝に多いイメージとはかけ離れ、壁のように水が落ちている。訪れた時は雨の後だったので、水は茶色に濁っていた。乾期だときれいに澄んでいるのだという。まさに濁流となって流れる川も凄い迫力だった。

 なお、落差で世界一の滝は、ベネズエラのエンジェルフォール(978㍍)。イグアスの滝は幅が4000メートルほど有り、世界一だ。

  ナイアガラの滝(アメリカ、カナダ)

  知名度でいったらこの滝が世界一だろう。イグアスの滝はともかく、ザンベジ川のヴィクトリアフォールは、地理的に観光客には行きにくい場所だ。ジンバブエ、ザンビア国境まで、個人で旅をするのはいささか大変だ。かつては治安も良く、車さえあれば安全な旅が出来他が、今はどうだろう…。

 その点、ナイアガラはカナダ側、アメリカ側ともに観光地として賑わい、滝見物も単に見るだけでなく、滝壺近く、水煙の中までも進む観光船。滝の裏側近くから眺めることが出来るトンネル。滝全体を見渡せるタワー。そのほか様々な施設がある。


 アメリカ、カナダ両国は橋でつながっているが、パスポートが必要。キチン出入国の手続きをすることになる。

 滝は北米・五大湖の一つ、エリー湖(アメリカ、カナダ)からオンタリオ湖(カナダ,アメリカ)へと流れるナイアガラ川にある。エリー湖は世界の湖だ13番目の、オンタリオ湖は14番目の面積を持つが、五大湖では4,5番目と小さい方だ。しかし、エリー湖は2.6年で水が循環するという。


 ナイアガラの滝はカナダ・オンタリオ州とアメリカ・ニューヨーク州を分ける。ゴート島を挟んでアメリカ滝、カナダ滝に分かれる。
アメリカ側はさらにルナ島を挟んでアメリカ炊きとブライダルベル滝がある。上と右はカナダ滝で幅は670㍍あり、ナイアガラの滝といえば、殆どこの写真の滝が代表している。

 滝の大きさは次の通り。

 ▽カナダ滝 落差     53㍍
         幅     670㍍
         滝壺の深さ 58㍍

 ▽アメリカ滝 落差    21㍍
          幅     260㍍
         
 ▽ブライダルベール滝
         落差     55㍍
         幅       15㍍

 左は国境の橋を挟んでアメリカ側をカナダ側から見たところ。カナダ側の方が滝のスケールが大きいため賑やかだが、アメリカ側もバルーンを上げている。

 橋から先はオンタリオ湖に向かって急に川幅が狭くなり、恐ろしいほどの激流となっている。カナダ側には激流のすぐ側を歩ける遊歩道がある。エレベーターを降りたところには、これまでナイアガラの滝や激流に挑んだ冒険者たちの肖像画・写真やエピソードが並んでいる。激流を泳いで渡ろうとして命を失った人たち。滝を樽などに入って落下したチャレンジャーたち。どうしてこんなことをするのだろうと考えざるを得ない話もある。
 右はナイアガラ川の激流。遊歩道のすぐ下、すぐ横を流れていて、引き込まれそうな気がする。手すりはあるが盛り上がる水が押し寄せて来そう。この激流を泳いで渡ろうと試みら人が数人いたそうだが、いずれも失敗して,命を失っている。