父なるライン川の支流、母といわれるモーゼル川は、支流といってもフランスのロレーヌ地方からドイツへと流下る全長545kmにも及ぶ大河なのである。
モーゼル川はライン川へフランクフルトから北西に約100km、古都コブレンツ(Koblenz)で合流する。紀元14世紀から始まったと伝えられる町コブレンツから、ルクセンブルグの国境に近いドイツ最古の町、トリアー(Trier)までの川沿いの道は直線距離では約100kmだが、丘陵地帯を大きく蛇行しながら流れるモーゼル川に沿って走る道は倍の約200kmにもなる。
この流域一帯は古城とドイツを代表するモーゼルワインの産地である。川沿いには見渡す限りのぶどう畑、その中に点在する中世の古城や町の、絵はがきの中のような風景を、写真で紹介したいと思う。
<コース>
コブレンツ(Koblenz)−コッヘム(Cochem)−ベルンカステル・クース(Bernkastel Kues)−トリアー(Trier)
全行程 約200km
●コブレンツ(Koblenz)からベルンカステル・クース(Bernkastel Kues)へ
アウトバーン(高速道路)が縦横に走るドイツでは、一般道路への出口を間違えないためにコブレンツの町からアウトバーンを避けてモーゼル川岸を走る国道49号線へと出た。 |
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道は再び2つに分かれ国道49号線は川から離れ西へと向かう。県道は大きく蛇行し流れる川に沿いながら、ベルンカステル・クースへの町へと入る。 |
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ローマの初代皇帝アウグゥストス帝によって作られた町で「ヨーロッパ史の博物館」ともよばれるドイツ最古の町。町の中心部には黒門と呼ばれる巨大な石の門、ポルタ・ニグラ(Porta Nigra)がある。 |
“黒い門”といわれるように黒い砂岩のブロックで造られた城門で2世紀後半のもの。この門をはじめローマ風呂跡や古代の劇場など、ローマ時代の遺跡が散在している。 |
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中央広場からモーゼル川へ向かう道筋に、エンゲルスとともに共産主義の理論を確立したマルクスの生家がある。見落としそうな普通の家だが、入り口にマルクスの顔を彫った金属板があるのですぐわかる。内部は直筆の書簡や家族の写真などのほか、社会主義の歴史を解説した本や原稿などが展示されている。 |
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トリアーはこのほか見所はたくさんあるが、この地方がハムやソーセージの生産地だということは、あまり知られていない。 |
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