2014/04/07
天皇陛下が80歳をお迎えになり、その記念として皇居内の乾通りが、一般国民の“花見”に解放されました。4月4日から8日までですが、普段は入れない皇居内の通りを歩くことが出来るので、大変な人気です。今日(7日)は天気が良かったので、午後から出掛けました。地下鉄の大手町で降りて地上に出ると、もう沢山の人が歩いています。
「皆、皇居へ行ってきたのかな」
「そうでしょ。今日は天気もいいからね」
坂下門から乾門へと抜ける通りが解放されているので、坂下門へと向かいましたが、そこでびっくり。門への広い砂利の広場は閉鎖され、警官は日比谷方面へと皇居前を歩かせます。皇居側を見ると、広場の先、堀沿いに多くの人が歩いています。指示に従って行列に流されていくと、日比谷と警視庁を結ぶ道路のすぐ手前で右へそれます。桜田門から来る広い砂利の道へ入り、今度は二重橋前を通って、なんと坂下門へと歩きます。
皇居前を周回ですが、ものすごい人ですから、こういうふうに分散するように歩かせれば、大手町周辺に人が集中してしまい、道路も何も動きが取れなくなるようなことはありません。年寄りにはいささか酷な回り道ですが、こうでもしないと大混乱でしょう。警察はよく考えて迂回路を考えたものです。
坂下門の前の広場で、所持品の簡単な検査。続いてポケットや身体の検査がありました。大勢の人が皇居に入り、動きも止まるノロノロ歩きですから、悪い奴が爆弾でも持って入ったり、ナイフで暴れたりしたら収拾が付きません。ボディーチェックも今時は仕方がないでしょう。
坂下門は黒く塗られ、頑丈に出来ています。入って緩く右に曲がると宮内庁の建物があり、右を見ると富士見櫓がくっきりと聳えます。通りの桜はかなり散ってしまい、花見には「遅かりし」でしたが、乾通りを歩くだけでいい体験です。徳川時代の大奥で権力を持っていた局が潜ったところから名付けられた「お局門」が残っていたり、昔の倉庫がなにやら風情を見せていたりで、それなりに昔を偲べました。
太田道灌が作った道潅濠のほとりには、桜が咲き残っていて、沢山の人がカメラを構え、人の動きはゆるり、ゆるりと半歩ずつ前進ずる有様でした。道潅濠のすぐ先は、吹上御殿への門で、さすがに今日は閉ざされていました。門の両側には黄色の山吹の花が沢山咲いていました。道潅にちなんで植えられたのでしょう。
『七重八重 花は咲けども 山吹の 実の一つだに なきぞかなしき』
子供の頃、教科書にあったように思います。その後「左巻き教育」がはびこり、どうなったかは知りませんが、日本の昔をキチンと伝えることを、おろそかにしてはいけません。吹上御殿への門を過ぎると乾門へ真っ直ぐの道です。乾濠を渡って、江戸城の天守閣、松の廊下、大奥などの跡へと抜けられますが、こちらはいつでも入れるので、乾門を潜って外へ出ました。この先は、道を隔てて西の丸、武道館へと続くのです。
竹橋からパレスホテルの前を通り、東京駅へと歩きました。かなり長い道のりでした。
写真=上から。道潅濠、坂下門前、富士見櫓、坂下門、吹上御殿の門
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